韓国前大統領、朴槿恵(パククネ)被告の支援者チェ・スンシル被告(61)の娘が名門の梨花女子大に不正入学したとされる疑惑で、ソウル中央地裁は23日、チェ被告に対し、業務妨害などの罪で懲役3年の実刑判決を言い渡した。朴前大統領が弾劾(だんがい)、罷免(ひめん)される端緒となった一連の疑惑の中心人物、チェ氏に対する初めての判決。
チェ被告のほか、同大前総長の崔京姫(チェギョンヒ)被告が懲役2年の実刑判決を受けるなど8人が有罪となった。
判決などによると、チェ被告は梨花女子大の幹部らと共謀。娘に2014年の仁川アジア大会の馬場馬術団体で獲得した金メダルを面接試験に持参させ、不正に合格させた。スポーツ特待生の枠だったが、本来入学できる要件を満たしていなかった。入学後、娘が試験に出席していないにもかかわらず、担当教授が本人名義の答案を提出した疑惑も認定された。
朴前大統領の支援者の家族が特別な待遇を受けたとされる不正入学疑惑をめぐっては、受験競争が激しい韓国で不正に対する国民の不満が噴出し、大統領辞任を求める要求が高まる一因となった。検察は教育壟断(ろうだん)事件と位置づけ、チェ被告に懲役7年を求刑していた。(ソウル=武田肇)