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「青酸飲ませた証拠ない」被告側が無罪主張 連続死事件

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筧千佐子被告


京都、大阪、兵庫で起きた青酸化合物による連続不審死事件で、殺人などの罪に問われた筧(かけひ)千佐子被告(70)=京都府向日市=の裁判員裁判の初公判が26日、京都地裁(中川綾子裁判長)で始まった。起訴内容について問われると、被告は「全て弁護士に任せてある」と述べ、弁護人が「訴訟能力、責任能力についてすべて争う」と無罪を主張した。


青酸不審死事件、26日初公判 弁護側は無罪主張


被告は、夫や交際相手だった男性に対する殺人3件と強盗殺人未遂1件の罪で起訴された。


検察側は冒頭陳述で、被告が2007年12月~13年12月にかけ、殺害目的で夫の勇夫さん(当時75)や、いずれも交際相手の本田正徳さん(同71)、末広利明さん(同79)、日置稔さん(同75)に青酸化合物を飲ませて青酸中毒に陥らせ、殺害、あるいは殺害しようとしたと主張した。


被害者の死後、被告が金庫から金を取り出したり、生前作らせた公正証書遺言により多額の遺産を得たりしたことを挙げ、遺産目的だったと主張。多くの高齢男性と結婚や交際を繰り返していたとも述べた。


一方、弁護側は冒頭陳述などで「被告は殺害もしていないし、殺意もない」と反論。被害者に青酸を飲ませた証拠はない上、被害者は本当に殺害されて死亡したのか疑問があるなどと述べた。「被告は、4人に死んでほしいとか死んでもかまわないといった考えはなかった」と主張した。


判決は11月7日の予定で、審理期間は裁判員制度が始まって以来、2番目に長い135日。男性1人、女性5人の裁判員は、公判、評議で70日程度拘束される見通し。地裁は裁判員の選任に向け事前に過去最多の920人を選んでいたが、8割以上が辞退した。(安倍龍太郎)



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