愛知県の学習・自立支援事業
高校中退者らに学習の場を提供し、自立を後押しする取り組みを、愛知県教育委員会が7月から始める。進路が決まっていない中学卒業生、外国人、不登校、引きこもりの若者も対象。教育、福祉、労働などの部局が連携し、若者の学び直しや自立を支援する。
「若者・外国人未来塾」として県生涯学習推進センター(名古屋市中区)、豊橋、豊田両市の青少年センターの3カ所に拠点を設置。NPO法人などに委託し、学習支援をしたり、進学、就職、生活の相談に乗ったりする。
学習指導をするのは教員OBや大学生。地域若者サポートステーション、あいち若者職業支援センターなどが就労支援を担当する。県精神保健福祉センターや保健所などとも連携し、不登校、引きこもりの若者の相談にも乗る。
県センターに限り、パソコン講座、外国人生徒への日本語指導も実施する。
これまでも市町村やNPOなどによる個別の学習・就労支援はあったが、必要とする人たちに届かない課題もあった。教育、福祉、労働などの部局が連携して情報を共有することで、一人でも多くの若者が支援を受けられる態勢をつくる。
文部科学省が教育格差の解消をめざす取り組みを全国の自治体に募り、愛知県の計画が選ばれた。今年度事業費は全額国費で500万円。
文科省の問題行動調査(2015年度)によると、愛知県の中学校の不登校生徒数は7084人、高校は2068人。高校中退者は2171人に上った。また、県教委によると、16年3月に卒業した中学生のうち進路未定者は719人だった。
今後、有識者を交えた「若者未来応援協議会」をつくり、より効果的な事業の進め方などを話し合う。(小若理恵)