理事会で解散を決めた魚アラ処理公社=愛知県弥富市
愛知県の外郭団体「魚アラ処理公社」(同県弥富市)は23日、名古屋市で理事会を開き、今年度限りでの解散を決めた。民間業者に押されて収益が悪化し、公社としての役割を終えたと判断した。年度末までに操業を終える。
愛知県、魚アラ処理公社を解散検討 魚粉高騰で収集量減
県によると、理事会で公社は、魚粉価格の値上がり傾向を受け民間処理業者が魚あらの収集に積極的に乗り出し、公社の収益が悪化していると説明。「できるだけ早く解散する」との公社の方針に対し、出席者からは「民間による適正な処理が可能」として、異論は出なかったという。
公社の2016年度決算は約2800万円の赤字となる見込みという。県によると今後、公社を清算法人に移行し、土地や施設を処分。県が設立時に貸し付けた8億2千万円の返済に充てる。
公社は、魚の骨や内臓などの魚あらを肥料などの原料になる魚粉に加工して販売する公益財団法人。1993年、県と県内全市町村が計7億円を出資して設立し、県と名古屋市が毎年度計1億円余の補助金を出して運営を支えてきた。(佐藤英彬)