安倍晋三首相は8月初旬にも内閣改造と自民党役員人事に踏み切る。世論の批判を浴びる閣僚らを交代させ、東京都議選の惨敗から局面を転換したい考えだ。一方、逆風下の政権運営に安定性は欠かせないため政権中枢は続投させる方針。首相は「イメージ一新」と「基盤固め」の双方の実現を迫られることになる。
「政権奪還時の初心に立ち返り、結果を出していくことで信頼回復に努めたい」。首相は欧州歴訪に出発前の5日、記者団にそう語った。
首相は、2012年末から閣内で首相を支えてきた麻生太郎副総理兼財務相と菅義偉官房長官は今回も続投させる方針だ。首相周辺は「重厚な布陣で前に進んでいく」と説明。麻生氏は3日、自民党山東派などと合流して新・麻生派を立ち上げた後の記者会見で「安倍政権をど真ん中で支えていく」と表明した。
また、首相が悲願とする憲法改正をめぐる党内論議を進め、来年9月の党総裁選での3選に向けて二階俊博幹事長の協力は欠かせないとみて、留任させる方向。首相側近は「二階氏は代えられない」と話す。
一方、これまで問題発言を連発…