1980年2月に発行された、朴正熙元大統領の逝去を追慕する記念切手(韓国郵政事業本部提供)
韓国郵政事業本部は12日、ソウルで切手発行審議委員会理事会を開き、朴槿恵(パククネ)前大統領の父、朴正熙(パクチョンヒ)元大統領の生誕100周年記念切手の発行を中止することを決めた。一度決めた記念切手の発行を取りやめるのは初めて。韓国の保守系は強く反発している。
この記念切手は、朴氏の故郷、慶尚北道亀尾(キョンサンプクトクミ)市が発行を要請。切手発行審議委員会が朴槿恵(パククネ)政権下の昨年5月、出席者全員の賛成で発行を決めた。発行中止について、韓国郵政事業本部は「メディアや市民団体から切手発行の適正性について問題提起が出たため、再び審議した」と説明した。
保守系の最大野党・自由韓国党は13日、「文在寅(ムンジェイン)政権の顔色をうかがった行為だ。政権交代から百日も経たないうちに、前政権が決めたというだけで白紙化した」と反発する論評を発表。これに対し、与党・共に民主党は同日、「国会や市民団体、郵政事業本部労組などから多くの反発を買っていた」と反論した。(ソウル=牧野愛博)