東京五輪・パラリンピックでの輸送管理
24日で開幕まであと3年となる2020年東京五輪開催期間中の交通渋滞を避けるため、すべての関係者用のバスや乗用車などをインターネットにつなぎ、警察や道路管理者がそれぞれ持っている渋滞・事故情報も一元管理して運転手に最適なルートを指示する新システムが導入されることになった。IT(情報技術)を駆使して輸送を管理するのは五輪史上初めてで、閉幕後は災害時に緊急車両を効率的に動かすシステムに転用して、大会のレガシー(遺産)とする方針だ。
輸送、酷暑、経費 東京五輪に立ちはだかる三つの課題
大会組織委員会と東京都が、国際オリンピック委員会(IOC)のスポンサーである米ゼネラル・エレクトリック(GE)とトヨタ自動車と一緒に開発を進めており、「IoT」(モノのインターネット)を活用する。従来のカーナビはアンテナから車に電波などを送る片方向の通信だが、新システムは各車両から送られる混み具合や事故情報、信号機情報などのデータを即座に解析し、最適な経路などをコンピューターが瞬時に示す双方向の通信だ。
具体的には、組織委が用意する選手や役員らを運ぶバス(約2千台)と乗用車(約4千台)の全てにGPS(全地球測位システム)を載せて混み具合や事故情報などを収集。警視庁、日本道路交通情報センターなどからも同様の情報を集める。都内に加え、札幌市、仙台市など遠隔にある会場周辺に車両輸送のオペレーションセンターから指示を出す。19年秋のラグビーワールドカップなどで検証実験を行う見込みだ。
大会関係者の輸送ルートとなる…