大阪桐蔭の中心は徳山(左)と福井のバッテリー
公式戦24連勝。春の選抜を制した大阪桐蔭が「負けなし」で夏の甲子園に乗り込んできた。
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エース徳山はピンチに強く、打線も得点源の1番藤原が春より良い。何より、大阪大会準々決勝から3試合連続で逆転勝ちと、主将福井を中心に「負けにくいチーム」へと進化した。史上初となる2度目の春夏連覇は手の届く場所にある。
ただ、そのためには2年生投手の柿木、横川の成長、打線の奮起が必要。大会序盤から徳山に負担がかかるようだと苦しくなる。
その点、3季連続甲子園4強の秀岳館は「左のダブルエース」の存在が心強い。田浦、川端の直球は140キロ台後半。田浦はブレーキの利いたチェンジアップ、川端は縦のスライダーも素晴らしく、打ち崩すのは容易でない。個々に高い潜在能力を秘める横浜との1回戦は、大会の行方を左右する一戦になる。
夏連覇を狙う作新学院は、今年も切れ目ない打線を作り上げてきた。2回戦で敗れた選抜とは得点力が違う。昨年に比べて小粒ながら、チームとしての安定感は大会屈指だ。
個の能力では中京大中京も優勝を狙う力がある。伊藤康、沢井、鵜飼の上位打線は大会随一。元々「東海一」と言われてきたチームで、試合ごとの波をなくせるかどうか。最速146キロ左腕の平元がいる広陵、秀岳館、横浜と強豪ひしめくゾーンからどこが抜けるか。大会序盤の焦点となる。
関東の実力校がそろったのが、花咲徳栄や前橋育英のゾーン。3年連続出場の花咲徳栄も最速149キロの清水らの投手陣に西川、野村の中軸も強力で、頂点を狙える。投手力が充実する前橋育英や木更津総合、投打にハイレベルな山梨学院と、こちらも激戦だ。
西東京大会の決勝で早稲田実を破った東海大菅生や昨夏準優勝のメンバーが多く残る北海の戦いぶり、最速142キロで伸びのある直球を投げる1年生左腕の宮城がいる興南と強打の智弁和歌山が戦う1回戦にも注目したい。(山口史朗)