天達武史さん=柴田悠貴撮影
■甲子園観戦記 気象予報士・天達武史さん
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第1試合で負けた大垣日大は阪口監督ですね。かつて「鬼の阪口」と言われた名将です。三本松と対戦する下関国際は練習が厳しいそうですね。天気より野球の方が詳しいかもしれません。ははは。
僕が高校球児だったのは、もう24年も前。いつかここに来たい、と思っていた。大きいなあ。24年越しで、その夢がかないました。
横須賀市にある津久井浜高時代は外野手でした。外野席、行ってみたいです。「あまたつー」と声をかけて下さる方がたくさんいらっしゃる。ありがとうございます。甲子園の外野は広いなあ。上空を浜風が舞っています。
右翼から左翼へ吹く浜風は甲子園の名物ですね。昼間、この風が吹くと、球場周辺は雨が降らないと言われます。六甲山の方向から流れてくる雨雲を、甲子園から遠ざけるように吹くからです。もちろん、絶対ではありませんが。
三本松の渡辺君がホームラン。気持ちいいだろうなあ。一生、自慢出来ますよね。僕の自慢は足の速さでした。50メートル走が6秒。走塁にはこだわった。一塁のリードは右投手なら7歩、左投手は7歩半。左投手の方が盗塁がしやすい。顔を見ると走れないから、右足だけを見るんです。
最後の夏の神奈川大会は第3シードで臨み、4回戦で延長サヨナラ負け。泣きました。悔しさよりも、この仲間ともう野球が出来ない。それが悲しかった。いまもよく集まって、思い出話で盛り上がる。一生の友達です。
卒業後、海が目の前にあるレストランでアルバイトをしました。食材の仕入れを任されたのですが、晴れか雨かで客数が全然違う。自分で天気を予測出来たら役に立つと思い気象予報士を目指した。7度目の受験で合格しました。
「とくダネ!」でお天気コーナーを担当して、12年。風邪や体調不良で番組を休んだことがないんです。体を鍛えていた高校時代の経験が生きています。豆知識などを交えて、視聴者の方に毎日、少しでもいい情報を提供したい。そんな目標に向かって頑張れるのも、高校野球の経験があったからこそだと思います。
下関国際は主将でエースの植野君が1人で投げ抜いた。2年生が多いけど、監督さんはマウンドを3年生に託したんですね。泣いている。「頑張ったんだから、くよくよしなくていいよ」。そう声をかけたい。失敗は成功のもと、プラスになるために、マイナスがあるんですから。
予報ですか? 14日も甲子園は厳しい暑さです。熱中症には十分注意して、球児の熱いプレーを楽しんで下さい。(構成・竹田竜世)
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〈あまたつ・たけし〉 1975年、神奈川県出身。神奈川県立津久井浜高校では野球部。2002年、気象予報士試験に合格。05年からフジテレビ「情報プレゼンター とくダネ!」で天気予報を担当する。