名古屋高速の入り口の情報板に表示された「猫に注意」=5日午後、名古屋市中村区名駅4丁目
「猫に注意」「猫捕獲中」。名古屋市と周辺を通る名古屋高速の情報板や巡回車の電光板には時々、こんな表示が登場する。ほかの動物に比べて猫の事故死が多く、夏場に目立つといい、高速利用者が多いこの時期は注意が必要だ。でも猫がなぜ、どうやって侵入するのか。はっきりとした原因はわかっていない。
初夏の名古屋高速都心環状線。電光板に大きく「猫捕獲中」の文字を掲げた作業車両が車線を塞ぎ、路上で係員が捕獲作業をしていた。名古屋高速道路公社(本社・名古屋市)によると、猫を避けようとして起きる事故を防ぐため、8年前の夏から表示しているという。同社広報課は「動いて飛び出す場合があり、運転手にできるだけ正確に伝えるため」と説明する。
猫発見の通報があると、交通管制室からカメラで現場を確認。2台の巡回車で猫の前後から捕獲する。同社交通管理課の稲垣了史(さとし)課長によると「週に1度はある」。
昨年度、名古屋高速で回収した動物の死骸は107体で、半分以上が猫。今年は7月末までに30匹を回収した。うち6~7月は18匹で、例年、夏にかけて増える。稲垣課長の印象では、市中心部の環状線とその周辺で多く、ほとんどは都市部にすむ野良猫とみられるという。
名古屋高速の大半は高架で、道路に餌になるようなものもない。猫がわざわざ入る理由が見当たらない。
考えられる説の一つが、高速の出入り口からの「誤進入」だ。名古屋高速の出口の多くは料金所がなく、ひとけが無い。猫が獲物を追ったり、迷ったりして、そのまま入り込んでいる可能性がある。
また、巡回係の一人は「車に乗りこんでやってくるのでは」との仮説を唱える。停車中の車のエンジンルームや荷台に入り込んだ猫が、車とともに高速に入り、走行中に飛び降りるというものだ。ただ、いずれも「目撃証言」ではなく、社内でも謎のままだ。
夏に多いのはなぜか。名古屋市…