クレーンで台座からつり上げられるリー将軍像=5月、ニューオーリンズ、鵜飼啓撮影
米バージニア州シャーロッツビルで白人至上主義団体が反対派と衝突した事件を受け、奴隷制存続を主張して南北戦争を戦った南部連合の英雄像や記念碑を撤去する動きが各地で進む。トランプ大統領は17日、「歴史と文化が引き裂かれる」などとこれに異議を唱えた。南部の白人保守層の共感を引きつける狙いだ。
シャーロッツビルの事件は南部連合の英雄、リー将軍像の撤去がきっかけだった。「美しい像や記念碑を撤去することで、我々の偉大な国の歴史と文化が引き裂かれるのを見るのを悲しく思う」。トランプ氏は17日にこうツイートした。
一方、バージニア州のマコーリフ知事は16日の声明で「記念碑は団結を促すものであるはずだ。だが、シャーロッツビルの事件で南部連合の指導者をたたえる記念碑は嫌悪や分断、暴力の発火点になったことがはっきりした」と指摘。「州内の地方自治体や議会に対し、記念碑を撤去し、博物館など適切な場所に移すように奨励する」と述べた。
同知事はこれまで撤去を支持しない考えを示していたが、事件を受けて態度を変えた。ノースカロライナ州のクーパー知事も撤去すべきだとの考えを表明。ほかにも、ブッカー上院議員(民主党)が連邦議事堂にある南部連合の象徴を撤去するための法案を提出する考えを示すなど、像や記念碑を撤去したり、撤去を求めたりする動きが事件後、各地で相次いでいる。
ヘイトクライムを監視する南部貧困法律センターの2016年のまとめによると、英雄にちなんだ地名や施設を含め、南部連合のシンボルとされるものは公共の場所に1500件以上ある。このうち銅像や記念碑が718件に上り、うち300件がバージニア、ノースカロライナ、ジョージアの3州に集中しているという。
ただ、こうした南部連合のシン…