2・5次元ミュージカルを広めるアンバサダーに就任した加藤諒さん
2次元の漫画やアニメを3次元の舞台にした「2・5次元ミュージカル」が人気だ。照明やプロジェクションマッピングに俳優のアクロバティックな動きを重ね、その世界観を忠実に演出する。観客の多くが原作の漫画やアニメのファンで、中国やアメリカなど海外にも次々進出。日本の新しいサブカルチャーとなっている。期待を裏切らずに舞台化する秘密は? 2・5次元ミュージカルを担う俳優2人に聞いた。(構成・江戸川夏樹)
■鈴木拡樹さん「アニメの作品、生で届けられるのが最大の魅力」
「刀剣乱舞」「煉獄(れんごく)に笑う」など多数の作品で主演する俳優鈴木拡樹さん。WOWOWで放送中の「2・5次元男子推しTV」(最終回は8月25日午後11時~)で司会を務めている。
――2・5次元ミュージカルの魅力は何でしょう?
日本の大切な文化の一つがアニメ。世界的に認められているものです。みなさんがアニメやコミックで知っている作品を舞台として生で届けられるのが、最大の魅力だと思います。
2次元でもなく、3次元でもなく、2・5次元というのがキーワードを担っていると気付きました。作品によって3次元に近くする方が見やすいものもあります。一方、2次元に近づける方が見やすくなる作品も。2と3、どこでバランスをとるかで非常に難しいですが、楽しいです。
――作品によって2次元と3次元の間で幅が生まれますか?
結構変わります。例えば、「釣りバカ日誌」はよく知られている映画ですが、原作はコミック(作・やまさき十三、画・北見けんいち)です。そういう意味では、2・5といってもいいけれど、しっくりこない。3次元に近い形で描かれている。少年誌のバトルものは逆、2次元寄りであったほうがみなさんに楽しんでもらえる作品です。
――演じる上での難しさは?
原作の大ファンがいることが、大きなプレッシャーです。アニメ化されている作品では、すでに声優が演じています。みなさんにとっては、聞き慣れた声がそのキャラクターになる。変えるのではなくて、声優さんに近づけた方が見やすい。だから、アニメ作品だと、声も含めそのキャラクターとして演じることが多いですね。
「ノラガミ」(2011年から「月刊少年マガジン」で連載中。14年にアニメ化、16年に舞台化)はコミックが原作ですが、舞台版はアニメの制作会社がつくっていてアニメ寄り。声も含めてキャラの一部という風に臨みました。
――声をどうやって「演じる」のですか?
アニメだと、男の子は女性が演…