十一回裏広島1死二塁、広島にサヨナラ負けし、グラウンドで喜ぶ広島の選手を見る阪神の金本監督(左端)=上田幸一撮影
(6日、広島4―3阪神)
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2試合連続で、ダメージの大きな敗戦となる飛球が、右翼手の頭を越えた。十一回1死二塁。阪神は7番手の石崎が、会沢にサヨナラ安打を浴びた。「つないでくれた人の思いもあったので、申し訳ない」と石崎。首位の広島に連敗を喫し、逆転優勝は限りなく厳しくなった。
最大3点のリードを守れなかった。暗転したのは八回。勝ちパターンの一角、マテオが崩れた。1死を取ったが、菊池、丸、松山に3連打。瞬く間に追い上げられた。2死から安部に同点の右前適時打を打たれ、無念の降板となった。
8・5のゲーム差ほど、両チームの実力差は感じない。上位対決で、阪神は2試合とも、互角に渡り合っている。では勝敗を分けたのは、何なのか。
前日の試合でドリスが逆転サヨナラ2ランを浴びた九回には、遊撃内野安打で走者を出し、暴投で二塁に進まれている。この夜の八回の失点にも内野安打が絡んだ。そして十一回のサヨナラ劇は、四球で出塁された広島の上本に二盗を許し、阪神外野陣が、極端な前進守備を敷かざるを得なかったことで生まれた。
結局、しぶとく出塁し、走者が足を使って守りに重圧を与えられるか。それを得点につなげる一打が出るかだろう。金本監督は「この位置(2位)にいるのは、リリーフの貢献が一番大きい。そこが打たれたら仕方ない」。その通りだが、さらに上をめざすには、相手投手を揺さぶれるような、緻密(ちみつ)な野球が求められる。(井上翔太)
●金本監督(神) 2夜連続でのサヨナラ負けに、「この球場は風が向こう(広島)に吹いている」。
●鳥谷(神) 適時二塁打を含む2安打を放って、通算安打数を1998に。「明日勝てるよう頑張ります」
●香田投手コーチ(神) 八回に追いつかれたマテオについて、「あそこは粘ってほしかった」。