カーリング女子の平昌五輪代表決定戦が北海道北見市で始まった。第1日の8日は第1戦があり、昨年の日本選手権覇者のLS北見が、今年のチャンピオンの中部電力を9―1と大差で下して、先勝した。
カーリングは第10エンドまでの合計スコアで争われる。各エンドの最後に石を投げられる後攻のチームが絶対的に有利で、そのエンドで得点を取ったチームは次のエンドでは不利な先攻に回る。「後攻なら出来れば1点ではなく、2点以上取る。先攻なら相手に1点だけ取らせて、次エンドの後攻の攻撃権を取る」のがセオリーだ。
スキップ藤沢五月が率いるLS北見は、有利な後攻だった第1エンドに1点を先取。第2エンドには、試合序盤でまだ氷の状態をつかめずショットの精度が上がらない中部電力のスキップ松村千秋のミスを誘うようにハウス(円)に石をためていき、さらに1点。不利な先攻で得点を奪う「スチール」に成功した。
第3エンドで中部電力が1点を返したが、第4エンドで再び後攻に回ったLS北見の藤沢は、最終投をわざと大きくハウスをオーバーするように投げ捨て、このエンドはともに0点。「後攻チームは状況次第ではわざとそのエンドを0―0にして、次エンドでも後攻の攻撃権をキープする」のもセオリーのひとつだからだ。
第5エンドはLS北見がきっちりと1点を取って、前半を3―1とリードして折り返した。
休憩を挟んだ第6エンド以降も、中部電力のスキップ松村の調子は上がらなかった。第6エンドは後攻だったにもかかわらず、ハウスの中心を狙った最後の1投が大きく外れ、LS北見に大量4点を奪われた。続く第7、第8エンドでも1点ずつのスチールを許し、1―9と大差をつけられると、中部電力の選手たちはLS北見の4人にギブアップを意味する握手を求め、試合は第8エンドまでで終わった。
■北見・藤沢「楽な気持ちで投げられた」
中部電力の松村は「(第5エンドまでの)前半はいいショットもあった。明日も前半みたいな試合運びができて、なおかつ自分たちが攻める時にちゃんと攻められれば相手も嫌だと思う」と前を向いた。一方、LS北見の藤沢は「(リード吉田夕梨花、セカンド鈴木夕湖、サード吉田知那美の)前の3人がいい形をしっかり作ってくれたので、楽な気持ちで投げられた」。
代表決定戦は3戦先勝方式で、9日に第2、3戦がある。そこまでに決着がつかない場合は、10日にも試合が行われる。(平井隆介)
■LS北見9―1中部電力
中部電力 00100000 1
LS北見 11001411 9