優勝し、表彰台で笑顔を見せる高梨沙羅(中央)=勝見壮史撮影
ノルディックスキーのグランプリ(GP)ジャンプは9日、ロシア・チャイコフスキーで女子個人第4戦(HS102メートル)があり、高梨沙羅(クラレ)が1回目に最長不倒の106メートル、2回目に94・5メートルを飛び、合計246・3点で優勝した。グランプリ(GP)2連勝で総合首位に立ち、10日の最終戦に勝てば総合6連覇が決まる。他の日本勢は、岩渕香里(北野建設)が192・0点で8位。勢藤優花(北海道ハイテクAC)は14位だった。
男子は個人第6戦があり、小林陵侑(土屋ホーム)が日本勢最高の238・2点で9位。長野・白馬であった第4戦、第5戦で連勝した小林潤志郎(雪印メグミルク)は236・7点で10位だった。作山憲斗(北野建設)は34位、伊藤謙司郎(雪印メグミルク)は35位で2回目に進めなかった。
■テレマーク決まらず「大きな課題」
高梨沙羅は2位のキュカネン(フィンランド)に31点差を付けた。距離に換算すれば、2回合計で15・5メートル差になる圧勝だ。GP第3戦まで総合1位だった伊藤有希(土屋ホーム)や2014年ソチ五輪金メダルのフォクト(ドイツ)が出場していないので、当然の結果とも言える。高梨も「内容を良くすることだけを意識している」。
海外でも多くないという、助走路がスタート直後から緩やかなカーブになっているジャンプ台だった。直線の斜面を滑った後にカーブに突入する助走路に比べて、踏み切るタイミングが取りづらいとされる。だが、高梨は苦にせず、1回目に唯一の100メートル越えとなる106メートル。飛び過ぎて、着地ではテレマークがうまく決まらなかった。「そこは大きな課題」。結果には目もくれなかった。(勝見壮史)