キリスト教民主同盟の党本部で演説するメルケル首相(中央)=ベルリン、24日午後6時55分、吉武祐撮影
24日投開票のドイツ総選挙で首相続投を確実にしたメルケル首相は同日夜(日本時間25日未明)、自身が率いるキリスト教民主同盟(CDU)の党本部で勝利宣言した。「12年間、政権を担当したと言っても、再び第1党になることは当然ではない」として、姉妹政党であるキリスト教社会同盟(CSU)と合わせた「同盟」として再び第1党になったことを喜んだ。一方で前回選挙より同盟の得票率が下がったことを踏まえ、「もっとよい結果を望んでいたが、(過去4年間が)非常に難しい時期だったことを忘れてはならない」と述べた。
メルケル首相4選確実 独総選挙、与党第1党維持見通し
今回の総選挙で、反難民を掲げる新興右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が初めて議席を得る見通しになったことについて、メルケル氏は「我々にとっての大きな挑戦だ」と危機感を表明。「選挙結果を詳細に分析し、AfDから票を取り戻す」と述べた。また「強い欧州」をつくり、不法移民対策に取り組むとした。
CDUの党本部には報道陣や党員ら2千人以上が詰めかけ、開票速報を見守った。同盟が引き続き第1党になることが確実になると、若手党員から歓声が上がった。壇上に登場するメルケル氏には「アンジー(アンゲラ・メルケル氏の愛称)、アンジー」などと声援が飛んだ。メルケル氏は時折笑顔を交え、安堵(あんど)の表情を浮かべていた。(ベルリン=吉武祐)