候補者本人が不在のなか、応援に駆けつけた小野寺五典防衛相=15日午後、横浜市栄区、相原亮撮影
小野寺五典防衛相は15日、衆院選の公示後初めて東京都内を離れ、横浜市栄区で応援演説を行った。安倍晋三首相は北朝鮮の弾道ミサイル対応のため小野寺氏に都内待機を指示していたが、接戦が伝えられる自民党候補者の支援を優先した格好だ。
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小野寺氏が駆けつけたのは、防衛副大臣の山本朋広氏=神奈川4区=の決起大会。小野寺氏は「この瞬間に北朝鮮による弾道ミサイル発射や核実験があれば、国家安全保障会議の主要閣僚が官邸に集まる。私がここにいるので、代理は山本副大臣だ。今も防衛省の副大臣室にいて日本の安全を守っている」と説明。山本氏は不測の事態に備え、省内で待機していると強調した。
小野寺氏は先月26日、首相から「基本的には都内で日本の守りをしっかりして欲しい」と指示を受けたと記者団に説明した。公示日の10日も防衛省内から選挙区の宮城県に携帯電話を通じ、「北朝鮮情勢が緊迫しており、選挙期間中も防衛省で国を守る仕事に努めます」と有権者らに訴えた。
政府関係者によると、小野寺氏は山本氏の応援は例外として、1回限りの条件で都内を離れることにしたという。この日は小野寺氏に代わり、山本氏が選挙区を離れ、東京・市谷の防衛省に戻った。ただ、防衛省内では「選挙で『国難』と脅威を訴えながら、自分の都合で都内を離れる。ダブルスタンダードだと批判されかねない」(幹部)と懸念する声も上がっている。(相原亮)