「スケートキャラバン」で児童と滑る鈴木明子さん=17日午前、千葉県柏市立逆井小学校
プロフィギュアスケーターで元五輪日本代表の鈴木明子さんが17日、体験型の出前授業「スケートキャラバン」(朝日新聞社主催、木下グループ特別協賛)で千葉県柏市立逆井(さかさい)小学校(宇佐見文夫校長)を訪れ、講演とスケート指導をした。
鈴木さんは2012年世界選手権で銅メダルを獲得。五輪では10年バンクーバー、14年ソチと2大会連続で入賞を果たすなどの活躍をし、同年3月に現役を引退した。
この日は、3年生以上の児童と保護者を前に講演した。23年間に及んだ選手生活を振り返り、「自分で選んだ道で夢を一つ一つ大きくして五輪に出場した。メダルは取れなかったけれど後悔はない。日々の練習をやりきった自信があったし、周囲の人々も喜んでくれたから」と話した。「願うだけでは何も起こらない。一つでも目標を立て、チャレンジする気持ちを持って欲しい」と呼びかけた。
3、4年生には、体育館に設置した樹脂製の簡易リンクで滑り方を指導した。
児童は手すりにつかまりながら歩き始め、1周もすると滑り出した。鈴木さんが「回転するには腕を広げた後、胸の前で閉じて」とコツを教えると、転びながらも成功する子が続出。スケート初体験の3年、中野雄士君は「がんばったら回転もできた。この調子で野球チームでもがんばりたい」と話した。
鈴木さんは「失敗を恐れずリンクの中央に出てみようと意欲のある子が多くてよかった」と語った。
4年生の保護者、中野洋子さん(45)は「講演で、努力を続けるために努力する大切さを話されたのが印象に残った。その話の後で、引っ込み思案な娘がリンクで滑れた瞬間の笑顔を見られてうれしかった」と話した。