不時着炎上事故を起こした大型ヘリの同型機が、事故現場付近の上空を飛んでいた=18日午後3時2分、沖縄県東村高江、安田桂子撮影
沖縄県東村(ひがしそん)高江の民有地で不時着炎上した大型輸送ヘリコプターCH53Eの同型機が18日、再び沖縄の空を飛び交った。事故から1週間。原因の十分な説明がないままの飛行再開に、沖縄では米軍や日本政府への不信感が高まっている。
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CH53Eはこの日、普天間飛行場を複数回にわたって離陸し、事故が起きた高江付近の上空を飛ぶ姿も確認された。
「もう、あきらめしかないね」。事故現場となった牧草地の所有者、西銘(にしめ)晃さん(64)はつぶやいた。「防衛相が事故原因がわかるまでの飛行停止を求めてもこれだ。米軍は、誰の言うことなら聞くのかね」
県町村会の首長らは18日午後、在沖米海兵隊司令部のあるキャンプ瑞慶覧(ずけらん、北中城村など)を訪れ、事故原因の究明や再発防止、住宅地の上空や早朝夜間の飛行禁止など文書で6項目について要請した。応対した在沖米海兵隊のクラーク大佐は「誠意をもって対応する」と答えたという。
要請には仲嶺久美子・高江区長も同行。「住民の傷も癒えないうちに飛行を再開したことを、みんな不安に思っている」と伝えたが、米軍側は「(在沖米軍トップの)ニコルソン中将が安全だと判断した」「初期段階の調査で問題はなかった」と答えたのみで、事故原因についての説明もなかったという。
仲嶺さんは「(米軍は)友達だと言いながら、演習のことばかり考えている。自分たち本位だ」と話した。
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