岡山県津山市の中国自動車道で18日夜、路上に落ちていたタイヤに接触した大型トレーラーが横転し、同じタイヤに軽乗用車で乗り上げて路肩に避難していた親子2人がはねられ死亡した事故で、タイヤは別の車が事故直前に落とした古いスペアだった可能性が高いことが県警への取材でわかった。県警は高速道路の通行記録などを調べ、タイヤを落とした車の特定を進める。
路肩に避難中の女性2人、後続トレーラーにはねられ死亡
県警によると、タイヤはトラックなどの大型車両用のもので、重さ約90キロ、直径約1メートル。ホイールが部分的にさびており、古いものとみられるという。
現場付近には車体とスペアタイヤをつないでいたとみられるチェーンも落ちていたことから、県警は大型車両の車底部などに取り付けられていたスペアが外れ、落下した可能性があるとみている。
県警は、料金所やトンネルのカメラや、事故時に付近を走行していた車のドライブレコーダーの映像を回収。道路交通法(転落防止措置義務)違反容疑や、自動車運転死傷処罰法違反容疑の適用を視野に、タイヤを落とした車の割り出しを急いでいる。
亡くなったのは、歯科技工士の中村美香さん(49)=広島市安芸区=と長女で岡山大教育学部4年の亜美さん(21)=岡山市北区。2人は路肩に避難していたが、タイヤに接触して横転したトレーラーがガードレールをなぎ倒しながら2人をはねたとみられるという。2人がガードレールの内外のどちら側に避難していたのかはわかっておらず、県警が引き続き調べている。2人は鳥取県へ親族に会いに行く途中だったという。(本間ほのみ、小瀬康太郎)