成田空港が発注する物品の随意契約を巡る贈収賄事件で、成田国際空港株式会社法の収賄罪に問われた同社元上席執行役員、栗田好幸被告(64)の判決が25日、東京地裁であった。園原敏彦裁判長は「高い公共性がある職務の公正と社会の信頼を害し、結果は重大だ」と述べ、懲役1年6カ月執行猶予3年(求刑懲役1年6カ月)を言い渡した。
判決によると、栗田被告は今年1月、随意契約を結ぶ権限を悪用し、知人の越川勝典被告(47)=贈賄罪で公判中=の関連会社に物品を発注する見返りに、越川被告から現金60万円を受け取った。
栗田被告は公判で、高級車の購入などで多額の債務があったと認めており、園原裁判長は「浪費を続けて借金の返済に窮した末、賄賂を要求し、悪質性は高い」と指摘した。
成田国際空港会社は政府の100%出資で、社員は公務員に準ずる。(長谷文)