土囊(どのう)で仮設された堤防。右側奥に雄物川が流れている=秋田県大仙市
全国の河川で、高さが不足している堤防が二十数カ所見つかった。会計検査院は国土交通省に事態の早期解消を求める。
河川堤防、20カ所超が高さ不足 洪水被害発生の場所も
秋田県南部に位置する大仙市。河畔で行われる「大曲の花火」で知られる雄物(おもの)川は、たびたび水害に見舞われる。今年7月の豪雨でも、堤防の数カ所で水が氾濫(はんらん)し、市内の住宅852棟で浸水などの被害が出た。
その雄物川の中流域に、造成が済んだ堤防に挟まれて約430メートルにわたって土囊(どのう)を積み上げた仮設の堤防が続く区間がある。完成済みの堤防より2~3メートルほど低く、幅が狭い。7月の豪雨ではこの場所からも川の水があふれ出た。
仮設の堤防のそばに住む高橋絹子さん(63)は自宅玄関が水没し、押し寄せた水で庭の小屋が流された。「怖かった。堤防が途切れていなければ、すごく安心できるのに」。
近くを散歩していた藤井民之佑…