架空の「あおば市議会」の舞台となった千葉市議会。議場内でも撮影が行われた=千葉市中央区
「民衆の敵」は千葉市の味方? 放送中のテレビドラマに千葉市議会が登場し、市政に関心が高まることを期待する声が出ている。熊谷俊人市長は自身のフェイスブック(FB)で「解説」を展開。「ドラマを通して立候補する人が増えて欲しい」と願いをつづっている。
今月23日に放送が始まったフジテレビのドラマ「民衆の敵」。政治に興味のなかった1児の母親が一念発起して市議になり、周囲を巻き込みながら様々な問題に立ち向かうストーリー。架空の「あおば市」が舞台だが、千葉市議会の議場や市中央公園、JR海浜幕張駅など市内各地でロケが行われている。
熊谷市長はFBでプロ目線の解説を展開。「市議選に元総理が応援に普通来ないと思いますけどね」「市長が市議選で自分の勢力を作ろうと応援していましたが、これはリスクのあるやり方です」などとツッコミを入れ、「市議会議員は確かに立候補者が少なく、政令指定市でも4千票、一般市だとさらに少ない票で当選できる身近な世界」とも述べている。
フジテレビ編成局制作センター第一制作室の草ケ谷大輔プロデューサーによると、舞台は、いくつかの政令指定市を監督と巡って決まった。「千葉市には海も山もあり、都市部も農村部もあって色々な切り取り方ができる。市議会の議場の規模感もドラマの世界に合っていた」という。
市議会と女性市議を題材にしたことについては、「女性の政治家が国内外で目立つようになり、(政務活動費の使途など)良くも悪くも身近になった。主人公に『これ、おかしくない?』という感覚をぶつけてもらい、社会問題を浮き彫りにしたかった」と語る。
熊谷市長は「女性が政治家になる一番のハードルは実はパートナーの理解。男性がサポート役に回るというのは日本ではまだまだ途上で、主人公の夫のような人が増えれば、この世界にもっと女性が進出できる」と初回放送の感想を結んでいる。(熊井洋美)