インターネットで海賊版漫画をタダ読みできるリーチサイト(誘導サイト)「はるか夢の址(あと)」をめぐる著作権法違反事件で、サイトの閲覧者数は月約1400万人にも及んでいたことが、大阪府警などの合同捜査本部の調べでわかった。出版社などの被害額は約4100億円と算定され、著作権保護団体が把握する過去最大規模。専門家は利用者が安易に海賊版を手にしてしまう問題も指摘する。
タダ読み誘導サイト事件、9人を逮捕 著作権法違反容疑
府警によると、2008年に開設された「はるか夢の址」は会員約3200人が毎月約1万9500件の海賊版リンクを投稿する巨大サイト。ここを通じてダウンロードされた海賊版は今年7月に強制捜査を受けて閉鎖するまでに毎月300万点に及んだとみられる。海賊版には「NARUTO―ナルト―」「ワンピース」や「ドラゴンボール」「名探偵コナン」など多数の漫画が含まれていた。
海賊版の投稿数に応じた「ゴールド」「シルバー」といった会員ランクの付与や、海賊版を保存する「サイバーロッカー」から報酬を得られる仕組みを組み合わせ、「会員の投稿意欲をあおっていた」(捜査関係者)という。
違法ダウンロードで失った利益…