延長十回、力投するソフトバンクのサファテ=日吉健吾撮影
(4日、日本シリーズ第6戦 ソフトバンク4―3DeNA)
ソフトバンクが2年ぶり8度目の日本一、延長戦制す
走力と堅守が光ったSB、王会長も「ゴッドハンド」絶賛
絶体絶命の危機を迎え、球界最高のクローザーが本領を発揮した。
同点の延長十回。DeNAの先頭の梶谷に安打を許し、さらに自らの一塁への牽制(けんせい)悪送球で無死二塁とされ、マウンドのソフトバンクのサファテが迎えたのは中軸打者。うなるような速球で、ねじ伏せた。
3番ロペスを152キロで空振り三振、4番筒香を内角155キロで見逃し三振。その後2死一、二塁。柴田を151キロで押しこみ、一ゴロに仕留めた。
九回に登板して完全に抑えると、シーズンでもめったにお目見えしない「続投」へ。志願して延長十一回も投げ、来日7年目で初となる3イニング目も無失点。「チームのことだけを考えた」。その裏のサヨナラ勝ちにつなげた。
今季プロ野球シーズン最多54セーブを記録した右腕。日本シリーズで2セーブを挙げ、日本一を決める試合で勝利投手に。「今日全部力を使いきってしまったので勝つしかなかった。明日の分は残ってなかった。愛すべきチームメートたちだ」。チームのために投げ続けた36歳はMVPに輝いた。(堤之剛)