東京・秋葉原の地下にある旧万世橋駅=7月14日、樫山晃生撮影
東京メトロ銀座線にひっそりと眠る「幻の駅」の二つが、12月に初めてライトアップされる(上~中旬を予定)。東洋初の地下鉄として銀座線が開通してから12月で90年になることを記念した企画。立ち入ることはできないが、走行中の列車から、普段は暗闇の中にある駅を見ることができる。
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【360度動画】銀座線幻の「万世橋駅」
一つは、東京・秋葉原の地下にある旧万世橋駅。神田と末広町の両駅間にあり、1930~31年の2年足らずの間だけ使われた。当時、浅草から末広町までしかなかった路線を南側に延ばして神田駅を新設する際、神田川の下を抜けるトンネル工事に時間がかかったため、川の手前に一時的に設置された。
末広町から来た電車が折り返すだけの仮設駅のため、約33メートルのホームは一つだけで木製だった。神田駅完成後は撤去され、地下に続く階段は、現在は通風口の役割を果たす。ホームに降りる手前にあった空間と、コンクリート製の柱が残っている。
もう一つは、現在の表参道駅(東京都港区)の約180メートル渋谷寄りにあり、ファンや関係者の間で「旧神宮前」と呼ばれる駅。38年に「青山六丁目」として開業し、「神宮前」「表参道」と名前を変えた。70年代に千代田線と半蔵門線が開業したのに伴い、両線との乗り換えを便利にするため、仮設駅を経て、78年に現在の表参道駅の位置に移転した。
元の駅は機材の保管場所として…