保管クリーニングの流れ
インターネットを使って集めた衣類を洗い、一定期間保管してから指定日に宅配するサービス(保管クリーニング)で10月、大手業者が遅配トラブルを起こした。業者はネット上で「発送業務に手間取った」と釈明しているが、取材を進めると、預かった衣類を長期間洗わないことが常態化している実態が見えてきた。
トラブルがあったのは、「うさちゃんクリーニング」で知られるクリーニング大手のロイヤルネットワーク(山形県酒田市)。首都圏を中心に集めた衣類を酒田市の専用工場で洗って保管し、客の要望に合わせて配送していた。春に冬物を引き受けて秋に宅配するケースが多く、約4年前から大手通販サイト「楽天市場」にも出店していた。
10月初めから返却の遅れが続き、苦情の書き込みが相次いだ。ロイヤル社は「発送業務の人員不足により、ご返却までお時間を頂戴(ちょうだい)しております。ご迷惑をお掛けしており、誠に申し訳ございません」などとする謝罪文をサイトに掲載。仲條(なかじょう)啓介社長は朝日新聞の取材に「春ごろから受付量が増え、9~10月には前年の5倍になった。処理が追いつかなくなった」と説明し、保管サービスの受け入れを当面やめるとした。
同社のサイトに、衣類を洗う時期の記載はない。保管に関する説明には、洗濯後とみられる衣類がハンガーに掛かっている写真がついているが、同社の従業員は取材に対し、収集用の袋に入れたまま長期間洗われていない衣類があると証言する。関東地方から4月上旬に届いた衣類を10月中旬まで洗っていない例を挙げ、「後で洗うことが常態化していた」と明かす。
仲條社長は取材に、半年ほど洗…