
会見する林芳正文科相=10日午前、東京・霞が関、柴田悠貴撮影
学校法人「加計(かけ)学園」が運営する岡山理科大獣医学部の新設を認めた文部科学省の大学設置・学校法人審議会。審査の過程で指摘した意見をみると、国家戦略特区で獣医学部新設を認めた際の条件を満たしているのかどうか疑問も浮かんだ。特区で新設が認められた経緯もなお不透明で、幕引きを図ろうとする政権に対し、野党は特別国会で追及を強める構えだ。
特集:加計学園問題
「申請された計画が大学設置基準などの法令に適合していると判断されたと考え、答申結果を尊重する」。大学設置審の答申を受け、林芳正文科相は10日の記者会見でこう語った。
だが、難産の末の答申だった。
「臨床実習の計画は実現可能性があるか疑義がある」「教員配置計画が現実的とは言えない」――。
10日に公表された設置審の資料からは、加計学園が3月に出した当初の申請書に対し、大学設置審が厳しい表現で改善を求めていたことがわかる。5月には、改善がなければ開設を認めない重大な問題点として、7項目に「是正意見」が付いた。学園に渡された文書には、是正意見が五つ以上の時につく「警告」の文字が書かれた。
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