秋の行楽シーズンを迎え、多くの参拝者が訪れる清水寺=7日、京都市東山区
奈良・法隆寺や京都・清水寺、鎌倉(神奈川)・建長寺――日本を代表する大寺院で近年、拝観料の値上げが相次いでいる。外国人観光客ら参拝者は増える傾向にあるが、伽藍(がらん)や仏像の維持費や修理代、人件費の高騰が影響しているという。そもそも拝観料とは、どんな性格のものなのだろう。
秋の観光シーズンを迎えた法隆寺には多くの観光客が訪れている。岐阜県垂井町の女性(58)は長女(35)と訪れた。拝観料は2人で3千円。「小学校の修学旅行以来だけど、高くてびっくり」と話した。
法隆寺は2年前、22年ぶりに拝観料を値上げした。西院伽藍、東院伽藍、大宝蔵院共通で大人(中学生以上)は千円から1500円、小学生は500円から750円に。文化財の維持費や修理代の高騰と、少子化で修学旅行生が減ったことなどが理由という。
「清水の舞台」で知られる清水寺は昨年1月、28年ぶりに大人300円から400円に値上げした。小中学生は200円のまま据え置く。寺はいま「平成の大修理」で、国宝の本堂が修理用の素屋根で覆われている。国宝や国重要文化財の建物9棟が修理対象だ。2020年度まで続く予定で、予算は約40億円。うち55%を国が補助する。
寺の収入の大半は拝観料だ。支出は職員約80人の人件費などに充てられる。加えて、国宝や重文に指定されていない文化財の修復は寺が全額を負担しなければならない。寺の幹部は「次の世代に伝えていくため、相当な資金が必要になる。最低限の値上げに抑えて、ちょっとずつ助けてもらいたい」と語る。
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