準決勝で敗退し、応援席にあいさつに向かう大阪桐蔭の選手たち
(13日、明治神宮大会準決勝 創成館7―4大阪桐蔭)
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ようやく最後に、泥臭さが出た。4点を追う九回、先頭で打席に入った大阪桐蔭の1番藤原は「自分が出ないと打線がつながらない。意地でもという気持ちでした」。
2球目を打った高いバウンドのゴロは二塁手に捕られたが、全力疾走で一塁へヘッドスライディング。自身のこの日初安打となる内野安打とし、3番中川の右前適時打で本塁を踏んだ。
「試合前のシートノックから、『こんなんじゃ勝てへんぞ』って言われていました。自分たちの弱さが出た」と藤原は唇をかみしめる。守備位置からベンチへ戻る際の全力疾走、声の掛け合い……。チームで徹底しようとしていることが、中途半端になっていた。
それがそのまま、「隙」となって試合に出る。三回の4失点は、下級生から主力として出ていた藤原と根尾の失策が絡んだ。「あんな簡単なプレーでエラーをして、力不足」と藤原が言えば、根尾も「エラー、エラーと重なって、流れがいった。情けなかった」と反省の言葉を並べた。
藤原、根尾、主将の中川に5番の山田健と、選抜を制した今春から主力を張る選手が多い2年生。秋の府大会、近畿大会と圧倒的な力で勝ち上がり、この神宮でも前評判は高かったが、初戦の準々決勝、そしてこの日の準決勝と、本来の力を発揮できた選手は少なかった。
「気持ちの弱さが出た大会でした。ダメですね」と中川。西谷監督も「力がないのは分かっていた。力がないのに、勝ってきた。(全国では)ごまかせない、と言うのはおかしいですが、力がないことは選手も分かっている」。
連覇がかかる来春の選抜へ。監督も選手も、口をそろえて言った。「一から鍛え直します」と。(山口史朗)