16奪三振で近江を完封した大阪桐蔭の根尾=シティ信金スタ
高校野球の秋季近畿大会は4日、大阪・シティ信金スタで準決勝があり、第2試合は大阪桐蔭(大阪1位)が近江(滋賀1位)を5―0で破り、2年ぶりの決勝進出を決めた。
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まっさらなマウンドに、大阪桐蔭の背番号6が向かった。「ずっと投げたかった」。主に遊撃手で出場し、4番を打ってきた根尾が、この近畿大会で初めて投手として躍動した。
1回戦では同じ2年で背番号1を背負う柿木が無失点で完投(7回コールド)し、準々決勝は左腕の横川が1失点完投(7回コールド)と好投。根尾も負けじと右腕を振った。
力のある直球で、近江打線をねじ伏せていく。五回までに相手の先発全員から三振を奪う快投。九回2死一塁、この日16個目の三振を直球で奪い、被安打7で公式戦初完封を果たした。
それでも、笑顔はなかった。三者凡退は四回の1度だけ。「球数(141)が多すぎました」と反省が口をついた。
入学時から投打ともに期待されてきた根尾は、「片手間ではできない」と西谷監督が言う遊撃の練習をこなしている。投手としての練習時間は柿木や横川に比べて少ないが、「僕は野手も投手もベストを尽くすだけ」と根尾。打撃や守備の練習の合間に投球練習をし、「これだけやってケガをしたら意味が無い。アップは(他の選手の)2倍、3倍やっても足りない」と念入りにコンディションを整えてきた。
そんな右腕が見せた圧倒的な投球。「(柿木、横川の)2人にもいい刺激になります」。選手に高いハードルを設ける西谷監督も認める完封だった。