顧客の預金3千万円を着服したとして、福岡県警は12日、福岡中央銀行人事総務部長代理の酒造(みき)博行容疑者(40)=福岡県春日市大谷8丁目=を業務上横領容疑で逮捕し、発表した。認否は明らかにしていない。
筑紫野署によると、酒造容疑者は昨年9月30日、同銀行二日市支店(同県筑紫野市)で担当していた筑紫野市の無職男性(71)の定期預金1億円を解約し、現金で払い戻した3千万円を着服した疑いがある。
残りの7千万円は投資信託や別の普通預金に振り分けていた。預金を実質的に管理していた男性の妻の姉に当たる女性(70)は、解約を承知していなかった。
今年4月下旬、新しい担当者が女性と口座の残額について話した際に被害が発覚した。ほかにも男性の別の口座と女性の口座で計約4500万円が不明になっており、署が調べている。
銀行によると、酒造容疑者は内部調査に対しては着服を否定していた。酒造容疑者は2000年に入行。二日市支店には14年7月~16年12月に渉外担当として在籍した。17年1月に前原支店(同県糸島市)に異動し、4月に支店長代理になったが、7月に人事総務部付となった。同行は「信用を第一とする金融機関として、深く反省している」とのコメントを出した。(一條優太)