ビックカメラなんば店にある双眼鏡売り場=大阪市中央区
秋は、双眼鏡が活躍する季節です。行楽に、スポーツ観戦に、芸術鑑賞に。コンサート会場へのお供としても定着しています。
きりとりトレンド 話題の商品を紹介
「双眼鏡を持ってコンサートに行こう!」
ビックカメラなんば店の双眼鏡売り場には、京セラドーム大阪(大阪市)など、近隣の主な会場の公演スケジュールと座席表が張られている。座席表は舞台からの距離で色分けされ、近ければ「6倍」、遠い席なら「10倍以上」と、おすすめの双眼鏡の倍率が、ひと目で分かる。
売り場担当の斎藤真貴子さんによると、双眼鏡を買う理由で最も多いのが、コンサート会場での利用だ。ジャニーズや韓流グループの公演が近づくと、女性ファンの購入が急増する。「(公演が増える)年末に向け、今年も在庫を増やします」という。
倍率が「10倍」とは、実際には100メートル先のものが10メートル先にあるように見えることを表す。倍率を高くすると、一般的には視野が狭まり暗くなる。手ぶれも大きくなる。
視野や明るさを補うには、外側に付いている「対物レンズ」の大きなものを選べばよい。ただその分大きく、重くなり、値段も高くなる。
この店での売れ筋は、5千円前後で、軽い小型のものだ。ただ、お目当てのアイドルの「額の汗や真剣なまなざしまで見たい」という理由から、高価格帯の商品への買い替えも多い。
コンサート需要だけでなく、星空を眺めるのを趣味にする「宙(そら)ガール」による購入も増えている。同店の今年8~10月の売り上げは、前年比で2割増しになっているという。(清井聡)
ポケットにすっぽり
ビクセンの「アリーナH8×21WP」は重さ約210g、長さ約9cmで、洋服のポケットにもすっぽり収まる。防水機能も備えており、雨天時の野外コンサートなどでも使うことができる。希望小売価格は8千円。
目にやさしく疲れにくい
ペンタックスの「UP8×21」は、紫外線などの有害光線や乱反射を抑えるコーティングを、すべてのレンズに施している。目にやさしく、長時間見ていても目が疲れにくい。対象物もくっきり見える効果もあるという。希望小売価格は8500円。
手ぶれ防いで視界鮮明
キヤノンの「BINOCULARS 8×25IS」は、カメラのように手ぶれ補正機能を備えているのが特徴だ。内部のレンズの一部が手ぶれを打ち消すように上下左右に傾くことで、見えている像を安定させることができる。希望小売価格は5万5千円。
広い視野 野鳥もキャッチ
独メーカー、カールツァイスの「Victory SF8×42」は、視野の広さや明るさに優れた高級モデルで、バードウォッチングに適している。より広い範囲が見えるため、野鳥を素早く探すことができ、木陰や夕暮れ時などの悪条件でも鳥の姿が細部まで観察できる。希望小売価格31万円。
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主なメーカーの人気商品から選びました。価格は税別
ビックカメラの売れ筋ベスト5
①アリーナH8×21WP(ビクセン) 4960円
②10×20MCHG(ケンコー) 4100円
③UP8×21(ペンタックス) 5780円
④アトレックⅡ HRシリーズ(ビクセン) 1万5220円~
⑤コールマンH8×25(ビクセン) 7380円
※ビックカメラ全店で10月22日までの1カ月間に売り上げた台数。価格は11月2日時点の税別店頭価格(きりとりトレンド)