提訴後に会見した元アイドルグループメンバーの原告女性=東京・霞が関の司法記者クラブ
アイドルとして2年以上、実質的に無給で働かされ、事務所を辞めた後の活動も契約で制限されるのは不当だとして、女性アイドルグループ「虹色fanふぁーれ」の10~20代の元メンバー4人が14日、元の所属事務所を相手取り、契約の無効確認と未払い賃金計約410万円の支払い、芸名の継続使用を求める訴訟を東京地裁に起こした。原告側は「事務所の搾取で悲しむアイドル志望者を無くしたい」と訴えている。
訴状などによると、原告4人は2015年7月、芸能事務所「デートピア」(東京)と契約し、ほかの女性3人を含む7人のグループを結成。月給3万8千円などと定められ、毎月同額のレッスン代が差し引かれるとの説明を受けた。
同年10月にデビューし、月平均8回ほどコンサートを行ったが、CDや写真、動画配信の売り上げなどはメンバーに配分されなかったという。今年5~8月に原告となる4人が事務所に辞意を伝え、9月のコンサートで「卒業」した。事務所からは「契約時から7年は他の事務所で芸能活動はできない」「芸能絶対やるなよ。全力でつぶすぞ」などと言われたとし、現在は活動していないという。
提訴後に会見した元メンバーの一人は「契約した時は、『最初は給料ゼロでも、売れれば払われる』と思った。今思えばただ働きだった」と語り、「芸能活動を続けたい」と訴えた。
一方、デートピア側は、朝日新聞の15日の取材に対し、「現在訴状が届いておらず、コメントは控えさせていただきたい」としている。(後藤遼太)