95歳の時、80歳年下の大西竜平初段と対局した杉内雅男九段(左)=東京都千代田区=2016年3月10日
97歳の史上最高齢の囲碁棋士、杉内雅男(すぎうち・まさお)九段が21日、肺炎のため東京都内の病院で死去した。通夜は28日午後6時、葬儀は29日午前9時50分から東京都品川区西五反田5の32の20の桐ケ谷斎場で。喪主は囲碁棋士八段の妻寿子(かずこ)さん。
日本棋院東京本院所属。1924年の同院創立後、97歳1カ月の現役棋士は最高齢記録。37年に入段し、54、58年の2度、当時唯一の七番勝負だった本因坊戦で高川格(かく)本因坊に挑戦したが、ともに2勝4敗で敗れた。同リーグ7期、旧名人戦リーグ5期在籍など長く一線で活躍し、囲碁一筋の厳格な姿勢から「囲碁の神様」の異名をとった。タイトル獲得は63年の囲碁選手権戦優勝など2回。日本棋院常務理事、副理事長を歴任した。
生涯現役を通し、90歳を超えてからも昨年まで毎年5~8勝とコンスタントに勝ち星を重ねた。95歳の昨年3月には15歳だった大西竜平初段(当時)と対局。80の年齢差は日本棋院の公式戦史上、最大年齢差の対局となった。
最後の勝利は今年8月24日、96歳10カ月の対古庄勝子二段戦で公式戦最年長勝利記録。最後の対局は今月2日、97歳0カ月の対小山栄美六段戦で公式戦最年長対局記録となる。通算成績は883勝677敗、12ジゴ(引き分け)、2無勝負。
杉内九段の死去により、現役最高齢は90歳の妻寿子八段となる。(大出公二)