将棋のプロ対局で活躍する座布団を手に取るシーエンジの高岡伸行社長=愛知県蒲郡市
将棋の対局に欠かせない座布団。実はプロ棋戦で愛知の企業の製品が数多く使われている。棋士からは「長時間座っても疲れない」と好評で、公式戦連勝記録を作った中学生棋士、藤井聡太四段(15)も対局で使ったことがあるという。
この座布団を開発したのは「シーエンジ」(愛知県蒲郡市)。マットレスやクッションの素材を手がけている会社だ。東京と大阪にある将棋会館には、対局用の座布団が各50枚ほど用意されており、このうち東京が12枚、大阪が18枚、それぞれ同社製を使っている。
柔らかい層と硬めの層の2層構造が特徴で、縦55センチ、横51センチ、厚さ6・5センチ。柔らかい層で足や尻を包み込むようにして体重を分散し、反発力の高い硬めの層で受け止める。特殊な化学繊維が使われ、長時間座っても蒸れないように、通気性にも配慮したという。
この座布団がお気に入りという久保利明王将(42)は「正座するとひざに体重がかかって痛くなる。でもこの座布団だと、翌日に疲れが残らない」と話す。藤井四段も、今年4月26日にあった棋王戦予選の対局でシーエンジの座布団を使った。
もともと座布団を扱っていなか…