立会人の石田秀芳二十四世本因坊(中央)から封じ手を見せてもらう井山裕太六冠。右は高尾紳路名人=17日午前9時6分、静岡県熱海市のあたみ石亭、迫和義撮影
高尾紳路名人(40)に七冠復活をめざす井山裕太六冠(28)が挑戦している第42期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第5局は17日朝、静岡県熱海市の旅館「あたみ石亭」で再開され、2日目に入った。
タイムライン:第42期囲碁名人戦七番勝負
再開直後、先手黒番の挑戦者は左上の黒十七子の大群を捨て、中央に勢力を張る大作戦を敢行。この勢力を生かして、中央の名人の白の一群に襲いかかった。
午前9時から両者が前日の67手目まで並べ直し、立会人の石田秀芳(しゅうほう)二十四世本因坊が封じ手を開封した。名人の封じ手は、盤中央の白68のハネ返し。以下、黒75までほとんど時間を使わず進み、盤上の景色は1日目から一変した。
名人は中央の折衝を先手で切り上げ、白72と左上の黒の大群を仕留めた。挑戦者は、この代償として得た中央の大勢力を背景に、黒85と白の一団の急所をつき、攻撃を開始した。
解説の秋山次郎九段は「白の左上の地は50目以上。黒が中央の白にどれだけ迫ってポイントを挙げるかが焦点です」と話した。(大出公二)
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