原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場についての説明会に、広報業務を委託された業者が謝礼金を約束して学生を動員していた問題で、世耕弘成経済産業相は24日の記者会見でこの業者について「今後の会には一切関与させないことを伝達した」と語り、委託をとりやめる方針を改めて示した。
「お金もらえる、は禁句に」核のゴミ説明会、届いた案内
核のごみ最終処分地選定、意見交換会で参加者に謝礼か
説明会は経産省資源エネルギー庁と原子力発電環境整備機構(NUMO)が共催。NUMOのこれまでの調査では、業務の再委託先であるオーシャナイズ(東京都)が、NUMOの了解を得ずに謝礼金などを示して説明会へ学生を動員していたという。
資源エネルギー庁は24日、オーシャナイズについて「問題が発覚した11月14日以降、説明会に関与させていない」(担当者)と説明した。
謝礼金の問題を巡っては、超党派の議員でつくる「原発ゼロの会」が22日、資源エネルギー庁に調査の徹底などを求める申し入れをした。同会の初鹿明博衆院議員は記者団に対し、申し入れの際に資源エネルギー庁から「当面オーシャナイズと契約していて、そのまま開催に関わる、との説明を受けた」と語った。
これについて世耕氏は会見で「エネ庁はそういう説明をしていない」と否定した。ただ、初鹿氏は24日の取材でも「オーシャナイズが当面関与するという説明は確かにあった」と述べ、食い違いを見せている。