小池百合子・東京都知事は24日、豊洲市場(江東区)に移転後の築地市場(中央区)の跡地を「食のテーマパーク」にする再開発の基本方針について「一つの考え方」と述べ、変更する可能性を示した。豊洲市場内で商業施設を運営予定の企業が食のテーマパーク構想に反発しており、小池氏が配慮を見せた形だが、都と運営企業の協議がまとまるかは不透明だ。
小池氏は6月、豊洲移転後の築地の基本方針について「再開発し、食のテーマパーク機能を有する一大拠点とする」と打ち出した。しかし、豊洲市場内で商業施設「千客万来施設」を運営予定の万葉倶楽部(神奈川県)が競合を懸念し、撤退も検討すると表明。地元の江東区長が千客万来施設の実現にめどをつけるよう都に求め、市場移転日の決定が滞っている。
小池氏は24日の定例会見で、6月に示した食のテーマパーク構想について「築地の歴史を踏まえて、一つの考え方として申し上げた」と説明。検討中の再開発計画に「『食』が入るのは否めない」としつつ、「千客万来施設を最優先に整備する」と表明。「千客万来施設との両立や相乗効果に十分配慮した形」を目指す考えを示した。一方、万葉倶楽部の担当者は24日、取材に「都から正式な話が来てから検討したい」と話した。