東京・赤坂の土地売買を巡り、大手ホテルチェーンを運営するアパグループの不動産会社「アパ」(金沢市)から12億円余りを詐取したとして、警視庁は29日にも、住所不定、会社役員宮田康徳容疑者(55)ら9人を詐欺容疑などで再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材でわかった。
捜査関係者などによると、9人は2013年8月ごろ、東京都港区赤坂2丁目の約380平方メートルの土地の所有者になりすまし、土地売買代金名目でアパから約12億5千万円をだまし取った疑いが持たれている。警視庁は、9人とは別に1人を同容疑などで28日に逮捕した。代金を支払ったアパ側は、法務局に土地の名義変更を申請したが、宮田容疑者側から渡された委任状や印鑑証明書などが偽造されていたために却下され、現在も土地を取得できていない。
宮田容疑者らは偽造有印私文書行使容疑などで逮捕されている。警視庁は、宮田容疑者らが他人の土地の所有者になりすまして無断で売買する「地面師」グループとみている。この土地はアメリカ大使館や首相官邸に近い宅地。現在は駐車場として使われている。