国連旧ユーゴスラビア国際刑事法廷(ICTY)の法廷で29日、有罪となって量刑を言い渡された直後、液体を飲むプラリャク被告=AP
オランダ・ハーグで29日に開かれた国連旧ユーゴスラビア国際刑事法廷(ICTY)の上訴審判決の言い渡し中に、被告が液体を飲み、間もなく死亡した。服毒自殺とみられ、年内で24年間の活動を終えるICTYの最後の判決は、ショッキングな幕切れになった。
死亡したのは、1990年代のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争で、クロアチア人勢力の幹部だったスロボダン・プラリャク被告(72)。クロアチア人勢力の武装組織や警察で指導的な立場にいながら、93年に起きた人道犯罪を止めなかったとされた。
この日の言い渡しは、クロアチア人勢力の元指導者6人が対象で、裁判長が上訴理由などを考慮して原審との判断の違いを説明し、最後に被告を一人ずつ起立させて責任と量刑を述べた。3番目に呼ばれたプラリャク被告は、有罪となって禁錮20年の量刑が維持されたのを直立して聞いた。
記者が座った傍聴席から見て被告席は法廷の左端で、プラリャク被告を右側から見るような位置だった。がっちりした体形にスーツを着てネクタイ姿で、座っている間は特に変わった様子はなかった。
裁判長が自分への量刑を言い終えた直後、プラリャク被告は「私は戦争犯罪人ではない」と叫んだ。右手に容器を持ち、通訳用のヘッドホンをしたまま顔をほぼ真上を見るように上げ、流し込むように何かを飲んだ。ゆっくりした動作だった。そして「毒を飲んだ」と言って、再び座った。
裁判長は次の被告の順番に移ろ…