フランスのパスツール研究所は4月28日に新聞公告を発表し、「フランスの輸入型・早期伝播型ウイルスの遡及分析」に関わる研究がこのほど終了し、研究結果を近く生物学のプレプリントサーバー「bioRxiv」のサイト(bioRxiv.org)に発表することを明らかにした。「科技日報」が伝えた。
同研究所は、フランスで測定された新型コロナウイルスのサンプルの遺伝子配列とインフルエンザウイルス遺伝子データベース(GISAID)が発表した新型コロナウイルスの遺伝子配列338件を比較し、遡及と分析を行うとともに、ウイルスの系統樹を作成した。
比較によって明らかになったのは、フランスで流行した新型コロナウイルスと1月に確認された中国から輸入感染したウイルスとはウイルス株が異なり、2種類のウイルスの「祖先」は同じだが、枝分かれしたものだということだ。フランスで感染症を引き起こしたのは主流から枝分かれしたウイルスで、中国とイタリアからの輸入症例のウイルスとは異なるという。
同研究所の研究チームは、「最も代表的な遺伝子型の最も早い症例の患者には渡航歴がなく、これはつまり欧州で感染症が爆発的に拡大する前の2月には、すでにフランスや欧州の他の国でコロナウイルスが『密かに』流行していたのであり、その大部分が軽症か無症状だったため、長らく確認されなかったということを意味する」と指摘した。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年5月1日