民事再生手続き中の学校法人「森友学園」(大阪市)が大阪地裁に提出している再生計画案について、債権者の大阪府は同意しない方針を固めた。府は、大幅な負債免除を求める学園の計画案について、別の事案で府が返還を求めている法人などとの公平性を担保できないとし、20日の債権者集会で表明する意向だ。
【特集】森友学園問題
府は、学園が運営する塚本幼稚園(大阪市淀川区)が補助金約6200万円を不正に受給したとして返還を求め、詐欺容疑で籠池泰典・前理事長を大阪地検に刑事告訴していた。
学園の管財人は10月、再生計画案を大阪地裁に提出。債権者に負債総額約30億円の97%を免除してもらい、残りを10年間で分割返済するとした。これに対し、府教育庁は、同意しない理由を「税金である補助金の返還請求債権を放棄する計画には同意しない」とし、「他にも返還を求めている法人はある。森友学園だけ放棄することはできない」と説明している。
20日の債権者集会の決議には、投票者の過半数の賛成などが必要。債権者は国や府、大阪市、施工業者など10団体で、大阪市は11月30日、計画案に同意する議案を市議会に提出している。