市民図書館の内装イメージ。1階にはカフェや書籍販売のスペースも設けられる予定(CCC提供)
2019年秋に南海和歌山市駅直結のビル内にオープンする新しい和歌山市民図書館の指定管理者の候補者が、レンタル大手「TSUTAYA」を運営する「カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)」に決まった。市教委が30日発表した。カフェなども入居させ、子どもから大人まで幅広い世代が楽しめる場所として、年間利用者の目標に現在の約5倍にあたる約100万人を掲げている。
CCCと「図書館流通センター」の2社から応募があり、識者らでつくる選定委員会から高評価を得たCCCが選ばれた。市民図書館の坂下雅朗館長(56)はこの日の会見で「これまでの市民図書館の資料を大切にしつつ、カフェなど市駅前の活性化につながるご提案をいただけたことを総合的に評価した」と話した。
市教委によるとCCCの提案では、1階にはスターバックスコーヒーや書籍・文具、和歌山の特産品などの販売スペースが入る。2階は暮らしに関する蔵書を「カフェごはん」「文学を旅する」など独自の分類で配置。3階は、哲学から文学まで従来の日本十進分類法で並べる。移民に関する本や絵を集めた「移民資料室」も維持し、パソコンが使える学習室も設ける。子ども向けの4階には、絵本や児童書を置くほか、遊具で遊べるスペースをつくる。屋上には、芝生やテラス席も設けるという。
開館は、午前9時から午後9時までで年中無休。指定管理料は年3億3375万円。選書は、市教委でチェックする仕組みを作るという。CCCが指定管理者になる図書館は、佐賀県武雄市や神奈川県海老名市などに開館しており、今回が最大規模となる見込み。(杢田光)