スーパーカミオカンデジグソーパズル(東京大学宇宙線研究所提供)
東京大学宇宙線研究所(千葉県柏市)が10月下旬に売り出したオフィシャルグッズ「スーパーカミオカンデジグソーパズル」が異例の人気だ。難易度の高さと研究設備の絵柄が評判で、完売が相次いでいる。
題材は岐阜県飛驒市にある研究施設、スーパーカミオカンデ。この施設を使ったニュートリノの研究で、梶田隆章さんが2015年にノーベル物理学賞を受賞した。装置内部を300ピースで再現。担当者も「最後まで完成できるかわからない」という難解ぶりだ。
東大の柏キャンパス(柏市)と本郷キャンパス(東京都文京区)で売る予定だったが、担当者が公式ツイッターに投稿したところ1万回以上転載された。複数の小売店から取り扱いの要望が届いた中で、最初に手を挙げた東急ハンズ名古屋店(名古屋市)でも取り扱いが決まった。
同店では発売から3日で、仕入れた108個が売り切れた。担当者は「同じパズルが1日で何十個も売れることは異例」と驚く。研究所は1500個を追加発注し、11月下旬から両キャンパスや同店で再発売。ネット通販も検討している。
パズルは完成すると38センチ×26センチで、税込み1500円。経費を除く売り上げは、若手研究員の雇用や研究環境整備などに使われる。(初見翔)
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〈スーパーカミオカンデ〉 宇宙から飛んでくる素粒子ニュートリノを観測する装置で、神岡鉱山(岐阜県飛驒市)の地下千メートルにある。直径39メートル、高さ41メートルの巨大なタンクの内壁に「光電子増倍管」と呼ばれる光のセンサーが1万本以上ついている。