日本相撲協会の理事会に出席した貴乃花親方=11月30日、東京・国技館
元横綱日馬富士(33)の幕内貴ノ岩(27)への暴行問題で、日馬富士の傷害容疑での書類送検を受けて11日、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)が取材に応じ、「本当にお騒がせして申し訳ない。厳粛に受け止める」と話した。今後は検察に移った捜査と処分に、全面的に協力していく姿勢を示した。
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八角理事長は協会側での問題の全容解明が遅れていることについて、「これまでは集まれと言えば、集まるところが相撲協会の良さだと思ってきたが、今はそうなっていない。それがないと組織のガバナンスも出来ない」と苦悩の表情で話した。
問題を調べている協会の危機管理委員会では、暴力を振るわれた側の貴ノ岩の聴取がいまだに出来ていない状態。九州場所中から貴ノ岩の聞き取りを拒否してきた師匠の貴乃花親方(元横綱)も先月30日の理事会では、「警察の捜査が終われば聴取に応じる」との姿勢を示したと協会は発表している。
だが、依然、その聴取のメドが立っていない。この日も鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)が東京都江東区の貴乃花部屋を訪れ、九州地区で行われている冬巡業を休んでいる貴ノ岩の新たな診断書の提出と、危機管理委員会への聴取の協力を依頼する文書を郵便受けに入れた。貴乃花親方とは直接の連絡は取れていないという。
八角理事長は「きょうも(貴乃花部屋へ)行ってもらった。電話で済む話なんだけど。残念ですけど。そのために巡業に出ないでもらったのに。本来なら協会に来て欲しいのだが……」と話した。
「まずは貴ノ岩の話を聴かないことにはね。(20日の臨時理事会で報告する予定の危機管理委員会の)最終報告が出来ればいいが……。出来ると思ってはいるが、危機管理委員会がどう判断していくか」と、最終報告がさらにずれ込む可能性も示唆した。
最も心配しているのは九州場所前から姿を見せておらず、連絡も取れない貴ノ岩の体調面だという。「師匠から悪いと聞いているが、どのくらい悪いのか、心配だ」
協会は20日の理事会の翌日の21日には、国技館に関取から新弟子までの力士、行司、呼び出しら全協会員を集め、暴力問題の再発防止へ向けて臨時の研習会を開くことも発表した。