「オペラ夏の祭典2019-20」記者発表会で話す指揮者の大野和士さん=21日、東京都港区
2020年の東京五輪・パラリンピックに合わせ、東京文化会館(東京都台東区)と新国立劇場(同渋谷区)は21日、二つのオペラを共同制作し、19年夏と20年夏に一つずつ上演すると発表した。題して「オペラ夏の祭典2019―20 Japan⇔Tokyo⇔World」。
発案したのは、指揮者で東京芸術文化評議会評議員の大野和士さん。総合プロデュースと指揮を務める。19年夏にプッチーニの「トゥーランドット」、20年夏にワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を両施設で上演する。19年夏は滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール(大津市)、札幌文化芸術劇場hitaru(札幌市、来年開館予定)でも公演予定だ。
大野さんはこの日都内であった発表会見で、「二つのオペラは共に『融和と愛』がテーマ。予算額が大きく、今までに見たことのないような舞台になると思う。日本発の作品として世界へ発信したい」と話した。トゥーランドットの演出は、1992年のバルセロナ五輪開会式を共同演出したアレックス・オリエさんが担当する。
大野さんによれば、中国が舞台の「トゥーランドット」をアジア版オペラ、「マイスタージンガー」を欧州版オペラとして選んだ。他にも南米、北米、アフリカの作曲家による3演目を選び、五つ合わせて「五輪オペラ」として構想していたが、制作時間と費用の制約から、二つに絞られたという。
大野さんは来年9月に新国立劇場のオペラ芸術監督に就任が決まっている。(安部美香子)