女子SPの演技後、笑顔の坂本花織=遠藤啓生撮影
(21日、フィギュアスケート・全日本選手権女子SP)
女子SPは坂本が首位、宮原2位 全日本フィギュア
初の70点台「点数合ってるかな?」坂本花織の一問一答
2018平昌五輪 トップ
フィギュア特集 Kiss and Cry
得点が出た瞬間、会場がどよめいた。そして、坂本花織は目を見開く。73・59点。「点数合ってるかなって思った。初めて70点を超えた。こんなにうれしいのは久しぶり!」。国際スケート連盟公認大会ではないため参考記録ながら、自己ベストを上回ってSP首位に立った。
シニア1季目。経験が、坂本を大きく成長させた。
グランプリシリーズデビュー戦となった10月のロシア杯フリーでは、得意のジャンプでミスが続いて5位。涙が止まらなかった。
その悔しさから約1カ月後のスケートアメリカでは自己ベストをSP、フリーともに更新して2位に入った。「アメリカ大会から一気にいけるんじゃね?って思った」。試合を重ねるごとにシニアの大会に慣れて安定感が増し、持ち前の明るさも戻ってきた。
得意のジャンプを伸ばすために、苦手な朝に体が動かない状態でもジャンプの練習を欠かさなかった。そのおかげで、「ずっと平常心でできた」。ステップで勢いに乗ると、基礎点が1・1倍になる得点源の後半のジャンプも全て成功。最後はガッツポーズが出た。
「五輪の代表争いでもあるけど、その前に全日本という舞台でパーフェクトにやって、いいクリスマスを迎えられるようにしたい」。今年最後の試合で、全部出し切れそうと話していた17歳。はじける笑顔に、自信があふれていた。(野田枝里子)