福島県須賀川市立中学1年の男子生徒(当時13)が1月に自殺した問題で、市教育委員会が委嘱した外部有識者による「いじめ問題専門委員会」は25日、調査報告を発表し、「いじめが自殺の大きな一因だった」と認定した。学校の対応については「事態を軽視し、適切に指導しなかった」と批判した。
男子生徒は1月27日朝、自宅で首をつって死亡しているのが見つかった。遺書はなかったという。
市教委は2月、男子生徒が昨年7月以降の複数回のアンケートや面談でいじめを受けていると訴えていたことを認めた上で、翌月に専門委を立ち上げ、自殺といじめの因果関係や学校の対応を調べ始めた。
調査報告によると、男子生徒はクラスの9人の男子から「菌がつく」といじめられていたほか、部活でも数人から髪形をからかうようなあだ名をつけられていた。また、普段から同級生にからかわれたり、悪口を言われたりしていたという。調査報告は「男子生徒は学校にうまくなじめなかったようで、ストレスを抱えていた」と指摘。その上で、「いじめが大きな一因となって自死を選択した」と結論づけた。
また、学校の対応について、「いじめではなく、からかい」と認識して事態を軽視する教職員がいたとしたほか、情報が教職員間で十分に共有されず、「適切な指導や助言がされなかったことが問題を深刻化させた」と非難した。
報告を受け、市教委の柳沼直三教育長は「真摯(しんし)に受け止め、いじめ根絶についての対策を考えたい」と述べた。(鈴木剛志)