中国人が旅行したい国の1位は日本――。日本貿易振興機構(ジェトロ)が実施した調査でこんな結果が出た。調査を始めた2013年以降で初めてという。他の調査でも中国人の日本への印象が以前より良くなっている結果が出ており、対日感情が改善している現状が明らかになった。
調査は北京や上海など6都市で比較的所得が高い20~49歳が対象で、今年8月にインターネットを通じて約1200人から回答を得た。旅行したい国を聞いたところ、日本が40・2%と昨年1位の米国を抜いて1位に。2位は米国、3位はイタリアだった。
日本に旅行したいかという質問には88・9%が「行きたい」と回答。日本で何がしたいかについて尋ねると、「遊園地やテーマパークなどで遊ぶ」が60・8%で最も多く、「食事」が51・7%、「買い物」が50・6%と続いた。
日本に行きたいと答えた人の多くがネット情報ではなく、口コミを参考にしていることもわかった。日本政府観光局によると、今年1~10月に訪日した中国人観光客は622万人と前年同期比で12・9%増えており、評判が評判を呼ぶ好循環を生んでいるようだ。
ジェトロの箱崎大・中国北アジア課長は、日本で購入した製品や旅行での体験が印象を良くしているのではと分析。「(政治でも)関係改善の兆しがあり、今後も観光客の増加が期待できるのでは」と話す。
中国人の対日感情の改善を示す調査は他にもある。NPO法人「言論NPO」が今年10~11月に約1500人の中国人に聞いたところ、日本に良くない印象を持つ人は66・8%と前年から9・9ポイント減り、良い印象を持っている人は31・5%で同9・8ポイント増えた。(西山明宏)